再生日記

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【経済・ビジネス】会社法の改正を振り返る

こんばんは、りんたろーです。

ついに12月、師走の季節になってしまいましたね。

気温の低下も著しく、マフラーが手放せないです。

 

今回はやっと【経済・ビジネス】ネタということで、

まずは会社法について書いてみたいと思います。

 

みなさんは会社法についてご存知ですか?

会社についての法律と言うことで、かなり広範囲に影響を及ぼす法律ですが、

実は2014年から2015年にかけて改正されていました。

 

以下がその詳細↓

2014年11月25日、平成26年改正会社法(「改正法」という)の施行に伴う改正法務省令(改正会社法施行規則、改正会社計算規則、改正電子公告規則、改正一般法人法施行規則)等の案が公表され、同年12月25日までパブリック・コメントに付された上で、2015年2月6日、改正法務省令が公布された(施行日は、改正法及び改正法務省令共に2015年5月1日)。

 

昨今コーポレートガバナンスコードが発表されていたり、

こういった変化にもちろん気づいていたと思いますが、

 

今回はこの会社法の改正に伴って企業集団の内部統制の義務にどのような変化が実際に起きたのか、

そしてグローバル企業はどのような負担を負うことになるのかをを解説したいと思います。

 

会社法の改正により、親企業は子会社を含めた企業集団の内部統制を従来以上にしていく必要性が出てきました。

実際に現在海外に子会社がある大企業は増えてきており、そういった会社で生じる不祥事のほとんどは海外子会社からである。内部統制システムを構築する義務に関して、なぜその義務制が強まるのかを改正会社法を見つつ、説明していきます。

 

簡潔に説明すると、特に子会社の事故、不正行為により、その被害が大きい場合には、親会社の責任問題にもなり、今回の改正はその根拠とされる危険のある内容なので、十分な配慮が必要ということです。具体的な変更箇所を記すと、

「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」

となったのです(赤字が追加箇所)(第 348 条第3項第4号、第399条の13第1項第1号ハ、第416条第1項第1号ホ)。

 

確かに以前から親会社による子会社の統制は暗黙のうちに必要とされてきましたが、会社法改正に伴い名実共に義務となったのです。以前ならば明文化されていなかったため、法的には子会社の起こした事故の責任逃れも不可能ではなかったところが、今回の改正で明文化されたため責任逃れは絶対にできないということになったのです。この変更に伴い、親会社の取締役会は、新たに企業集団を監督管理するための体制整備を行う必要が出てきました。具体的には、以下のような体制の整備が求められるようになりました。

会社法施行規則 第100条

五 次に掲げる体制その他の当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

イ 当該株式会社の子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらのものに相当する者(ハ及びニにおいて「取締役等」という。)の職務の執行に係る事項の当該株式会社への報告に関する体制

ロ 当該株式会社の子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制

ハ 当該株式会社の子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

ニ 当該株式会社の子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

 

 

ここで、グローバルに事業展開する日本企業が、今後どのようなコンプライアンス体制を構築すべきなのか論じていきます。

上の会社法施行規則第100条のイロハニに書かれていることをもとに、特にグローバルに展開しているというところを考慮すると、主に

①グローバルであっても罷り通る程の情報共有力

②各国における法令及び定款の知識

が必要になると思われます。すでに子会社の管理、監督に関して力を入れている企業は、親会社取締役(及び監査役)などを子会社に派遣して、実質的に子会社の業務に関与する方法や、親会社執行役員が子会社代表取締役を通して実施する方法、親会社の内部監査室と子会社内部監査室が合同で会議を行い、連携する事で、子会社の業務についても業務の法令定款適合性を確保する体制をとる方法など、さまざまな方法が実施されています。おそらくグローバル企業といっても基本的にやることは変わらないと思いますが、同じことをやるとしても簡単に取締役を派遣したり、一緒に会議を開いたりするのは難しいと思います。もし取締役派遣のようにお金をかけられるだけの余裕があればいいのですが、そうでなければやはりオンライン上でのコンプライアンス体制を敷くしかないのではないでしょうか。例えば、半年に一度の子会社から統一されたフォーマットでコンプライアンス体制を報告させる、そして年に一度は親会社取締役が子会社を実際に訪問して視察する、などといった体制が限界なのではないでしょうか。

 

このように確実な情報共有・管理という面ではおそらくグローバルだからと言って何かが変わるわけではなく、コストがよりかかるといった具合だと思います。しかし、各国における法令及び定款の知識という面はグローバルだからこそ必要になってくるものであると思います。親が子をしっかり管理していたとしても、子の間違いを見抜けなければ意味がありません。グローバル企業は必ず各国の法令や定款に詳しい人を配置しておく必要があると思います。

 

まとめると、コンプライアンス体制に関してグローバル企業だからこそ必要なものは、「より大きなコスト」「各国における法令や定款の知識」です。

 

だいぶ長くなってしまいましたね。

申し訳ないです。今日はこのぐらいにしておきます。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

りんたろー